Ear disease 耳の病気

耳の痛み、聞こえが悪い、めまいがする

みみ(外耳・中耳・内耳)は音を聞いたり、からだの平衡バランスをとる働きがあります。日常生活においてとても大切な場所です。 主なみみの病気には難聴、中耳炎、外耳炎、めまいなどがあります。 また顔面神経という顔の動きを司る神経が内耳の側から中耳の中を通るため耳の病気が原因で顔面神経の病気になる事があります。

こんな症状があるときはご相談ください

「いつもと違う」気になる症状がございましたら、上記にないものでもお気軽にご相談ください。

耳垢

耳垢(みみあか・じこう)とは、外耳道にたまったアカです。
俗にいう耳糞で、排泄物的なイメージがありますが、耳の中で重要な役割があると言われています。
耳垢は外部からの埃やゴミなどの侵入を防ぎ鼓膜を守る働きや、抗菌作用により感染を防ぐといった役割を果たしています。

耳には自浄作用という性質があり、また、顎を動かすことで耳垢を自然に外に排出させようとする働きがあります。
そのため、特に乾燥した耳垢のタイプの方は耳掃除をする必要はほとんどありません。

耳垢が関係する病気

耳垢栓塞

耳垢が耳の中にたくさんたまり、耳の穴が狭くなったり塞いでしまった状態を言います。多くの場合は無症状ですが、中にはつまったような感じや違和感がでる方もいます。完全に詰まると閉塞感や聞こえが悪くなったりします。
無理して耳掃除をすると耳を傷つけてしまう場合があります。耳掃除や入浴の後に突然症状が現れた場合には、耳垢塞栓が疑われますので、耳鼻咽喉科専門医にみてもらうのをおすすめします。
耳垢が固くて容易に除去できない場合には、耳垢水という薬を耳につけて耳垢をやわらかくしてから除去する場合もあります。

外耳道湿疹

耳掻きのしすぎなどで外耳道が傷ついて炎症を起こし、湿疹ができることです。また、中耳炎による耳だれやアレルギー反応が要因になっていることもあります。
湿疹ができるとかゆみにより耳を掻きすぎてしまい、耳垢本来の皮膚の防御機構が破綻し、炎症が悪化しかゆみと患部が悪化するという悪循環に陥る場合があります。化膿すると、強い痛みを伴う外耳炎に移行します。周囲のリンパ腺が腫れて痛みを伴うこともあります。
したがって、なるべく耳掻きは控え、汚れた手や綿棒で患部に触れないようにすることが大事です。

中耳炎

中耳炎は鼓膜の内側にある中耳という所に炎症を起こしたものです。一般的に中耳炎というと急性中耳炎を指すことが多いです。急性中耳炎は中耳に細菌やウィルスが入り、急激な炎症を起こした状態です。
その他に、急性中耳炎の後などに中耳に浸出液が貯留し聞こえが悪くなる滲出性中耳炎や、急性中耳炎や滲出性中耳炎が十分に治らないと起こりやすい慢性中耳炎などに分類されます。

急性中耳炎の原因

中耳は、鼻の奥(上咽頭)と耳管という管でつながっています。風邪をひいたときなどに鼻やのどの細菌やウィルスが耳管を通って中耳に入り、炎症を引き起こします。子どもに中耳炎が多いのは、一つは構造上の理由で、耳管が大人に比べ短く、傾きも水平に近くなっているため、中耳への感染が起こりやすくなっています。
多くの場合、耳の痛みと発熱を伴います。小さい子どもは痛みを訴えられないため、機嫌が悪くなったり、鼓膜に穴があくと中耳にたまっていた膿が流れでて、耳だれによって異常に気づくこともあります。

急性中耳炎の治療

初期治療としては鼻水を吸引する処置をしたり、抗生物質や炎症を抑えるお薬を服用します。熱や痛みに対しては解熱鎮痛薬を使用します。
また、中耳に膿が貯留し、鼓膜がひどく腫れて痛みが強い場合や高熱が続くときは、鼓膜に少し切開を加えて、たまっている膿を出す処置を行う場合があります。切開した鼓膜の穴は感染が落ち着けば数日でとじます。
中耳炎を繰り返す場合は、中耳の換気をよくするために鼓膜にチューブを入れる手術をするケースもあります。重症化した場合は、点滴治療や手術治療が必要になる場合もあります。

難聴

音は外耳道(耳の穴)の空気を振動させ、鼓膜から中耳、内耳へと伝わり、この振動が電気信号に変換され、この信号が聴神経を通って脳に伝えられ認識されます。この経路のいずれかが障害されるときこえが悪くなる可能性があります。
難聴は原因の部位により大きく2種類に分けられます。
外耳から中耳に障害がある難聴を伝音難聴(でんおんなんちょう)といい、中耳に滲出液がたまる滲出性中耳炎や鼓膜に穴があいている状態の慢性中耳炎などでみられます。
内耳から脳までに障害がある難聴を感音難聴(かんおんなんちょう)といい、突然聞こえがわるくなる突発性難聴や聞こえの神経のところに腫瘍ができる聴神経腫瘍などでみられます。内耳は非常に繊細な器官で、音を感知して脳に伝えるほか、平衡感覚もつかさどっているため、障害されるとめまいを引き起こすこともあります。
両方とも障害される場合は混合難聴といいます。